☆ 日々の設計活動を通じて 感じたこと を述べていきます ☆彡


 

《耐震診断と耐震補強》 ・・・木造住宅・・・

木造住宅さいたま市登録耐震診断員として平成21年度より平成26年度まで28棟の耐震診断を行って来ました。既存住宅の上部構造評点1.0未満は、数百年に一度の割合でまれにくる大きな地震に対して「倒壊する可能性がある」ことを数値で示しています。0.7未満は「倒壊する可能性が高い」とされています。

私が耐震診断をさせていただいた28棟の平均上部構造評点は「0.28」でした。〔最高0.67・最低0.06〕
そのうち、耐震補強を行った物件は2棟だけです。割合で言えば約7%と少なく、恐らくさいたま市全体でも同様の数値だと思われます。〔リフォームを行うついでに耐震診断を行い補助金を受けるというケースの方が多いように感じています。〕

理由はいくつか考えられますが、最大のネックは費用と体力です。

耐震診断を希望される方は、総じてご年配の住まいが殆どです。そこにいつ来るか来ないかわからない地震に対して決して安くない費用を掛け難いようです。

また、費用が出せるとしても、工事に際して片付けや移動などを行う気持ちの体力が沸いてこないようです。確かにその通りだと思います。

耐震診断の結果をご説明する際、「耐震診断の結果は、現状を数値で把握するだけのものです。その後如何に安心して住まえるかの対策を施すことが本来の目的です。身体で例えるなら、【血圧の高い人〔昭和58年5月31日以前の建物〕が、血圧を測ったらやはり高かった〔耐震診断〕。でも耐震補強はしない〔病院に行かない〕】ということになるかと思います。」と必ずお話させていただきます。最後に、最低限の対策として、寝室は2階で家具等のない部屋に取るようお勧めしています。

2014年12月19日 「全国地震動予測地図-2014年版-」を公表しました。
30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確立を修正しています。さいたま市は51%となっています。
(ちなみに 最高に高かったのは横浜の78%)

個人的には、地震は何時来るか予測は出来ませんが、年々来る確立が高くなって来ていますので、安心して住まえる対策が必要だと思います。減築やリフォーム、又は小さくても地震に強い建物に建替える等を是非考えていただきたいと願ってます。〔2015.02.15〕